人生の円熟期に、賢い夫婦が旅先に白浜温泉を選ぶ理由
子育てという長い旅路を終え、ふと隣を見れば、共に歩んできたパートナーの姿。これからは、ふたりのための時間。そんな人生の新たな章の始まりに、多くの賢明な夫婦が和歌山・白浜温泉を選びます。
どこまでも続く白い砂浜と、吸い込まれそうなほど青い太平洋。そのコントラストは、まるでこれまで歩んできた道のりと、これから広がる未来を描いているかのよう。そして、千三百年以上もの歴史を持つ古湯は、ただ体を温めるだけでなく、長年の労をねぎらい、心を芯から解きほぐしてくれる不思議な力を持っています。
ここは、単なる観光地ではありません。騒がしい日常から離れ、波の音だけをBGMに、言葉少なでも心通わせる。そんな、大人にしか許されない贅沢な時間を過ごすための場所。この記事では、客室の露天風呂から雄大な太平洋を独占できる、選りすぐりの宿を5軒ご紹介します。さあ、ふたりの物語を、もう一度ここから始めてみませんか。
INFINITO HOTEL & SPA 南紀白浜(インフィニート ホテル&スパ)
~空と海に溶け合う、究極のプライベートリゾート~
■おすすめポイント(INFINITO HOTEL & SPA 南紀白浜)
- まるで海に浮かんでいるかのような感覚を味わえるインフィニティプール
- イタリアンと和食会席から選べる、地産地消にこだわった美食
- 歴史ある「行幸の湯」を源泉かけ流しで楽しめる大浴場
- 全室オーシャンビュー。刻一刻と表情を変える海を独り占め
- 洗練されたサービスと、静かで落ち着いた大人の空間
雄大な太平洋を見下ろす高台に、まるで美術館のように佇むこのホテルは、日常のすべてを忘れさせてくれる特別な場所です。エントランスを抜けた瞬間から、目の前に広がるのは空と海の青だけ。その圧倒的な開放感に、ふたりの旅が特別なものになることを確信するでしょう。
客室
「コンフォート・オーシャンビュー・温泉露天風呂付」の客室は、まさに大人のための隠れ家。モダンで落ち着いたインテリアの中に、窓の外に広がる海の青が鮮やかなアクセントとして映えます。広々としたテラスに出れば、潮風が優しく頬を撫で、ふたりだけの時間が静かに流れていきます。
客室露天風呂の時間
テラスに設えられた露天風呂は、信楽焼の大きな浴槽。その縁に腕を預ければ、視界を遮るものは何一つなく、湯船と海、そして空がひとつに溶け合うような錯覚に陥ります。湯面に映る夕焼けが、ゆっくりと夜の帳へと変わっていく様は、言葉を失うほどの美しさです。
聞こえるのは、風の音と遠い波の音だけ。隣にいるパートナーとの間に、多くの言葉は必要ありません。ただ同じ景色を見つめ、同じ湯に浸かる。それだけで、これまで言えなかった「ありがとう」の気持ちが、静かに伝わっていくような気がするのです。グラスを片手に、星空を眺めながら語らう夜は、きっと忘れられない思い出になるでしょう。
共用風呂
このホテルの共用風呂「昴」「漣」では、由緒ある名湯「行幸の湯」を源泉かけ流しで堪能できます。特に、海に向かって開かれた露天風呂は圧巻の一言。まるで海に向かって泳ぎ出すかのような浮遊感を味わえる設計になっています。
湯上りには、ラウンジで一休み。夫婦で浴衣姿のまま、冷たいドリンクを片手にソファで寛ぐ。そんな何気ない館内散策も、このホテルでは特別な時間へと変わります。
食事
夕食は、メインダイニング「ジョヴァンニ」で味わう本格イタリアンか、日本料理「凪」でいただく繊細な和食会席かを選ぶことができます。どちらも、地元・紀州の新鮮な山海の幸をふんだんに使用しており、料理長のこだわりが細部にまで感じられます。
特に、その日の朝に獲れた魚介を使った一皿は、ここでしか味わえない逸品。ソムリエが料理に合わせて選んでくれるワインと共に、ゆっくりと食事を楽しむ時間は、旅の喜びを一層深めてくれることでしょう。
サービス
ラウンジの暖炉に、静かに火が灯る。
ソファに深く腰掛けた夫が、ぽつりと言った。
「こういう時間、久しぶりだな」
妻は何も言わず、彼のカップにそっとハーブティーを注ぐ。
スタッフのさりげない気遣いが、空間を温かく満たしている。
こんな50代夫婦におすすめ
- 非日常的で洗練された空間で、リフレッシュしたい夫婦
- 美しい景色を眺めながら、美食をゆっくりと楽しみたい夫婦
- 静かな環境で、ふたりだけの時間を大切に過ごしたい夫婦
アクセス情報
- 住所: 和歌山県西牟婁郡白浜町2018
- アクセス: JR白浜駅から車で約10分
- 送迎: 白浜駅より無料シャトルバスあり(定時運行・予約不要)
ふたりで紡ぐ、宿の記憶
インフィニティプールの水際で、ふたりは並んで夕日を見ていた。
空と海が、燃えるようなオレンジ色に染まっていく。
「綺麗だね」
妻が呟くと、夫は黙って頷いた。
若い頃、夢中で見ていた夕焼けとは少し違う。
慈しむような、穏やかな光。
それはまるで、ふたりが重ねてきた歳月そのもののようだった。
プールサイドのバーで注文したカクテルのグラスが、カラン、と涼やかな音を立てる。
夫が不意に妻の手を握った。
ごつごつとして、大きくて、温かい手。
この手に支えられて、ここまで来たんだ。
妻は何も言わずに、そっと握り返す。
夕日が完全に水平線に沈むと、世界は深い青色に包まれた。
遠くで漁火が瞬き始める。
「さあ、部屋に戻ろうか。また明日、朝日を見に来よう」
夫の声は、どこまでも優しかった。
ふたりの影が、静かにプールサイドを歩いていく。
浜千鳥の湯 海舟
~黒潮の恵みと湯めぐりを楽しむ、海辺の湯宿~
■おすすめポイント(浜千鳥の湯 海舟)
- 海と一体になれる絶景の混浴露天風呂「浜千鳥の湯」
- 趣の異なる3つの無料貸切露天風呂でプライベートな湯浴み
- 全室オーシャンビュー。客室露天風呂からも太平洋を一望
- 夜食の「夜鳴きそば」や湯上がりのアイスなど、心温まるおもてなし
- 紀州の海の幸をふんだんに使った、豪快かつ繊細な会席料理
岬の先端に位置し、三方を海に囲まれた絶好のロケーションを誇る「海舟」。宿のどこにいても黒潮の息吹を感じられるこの場所は、温泉をとことん満喫したい夫婦にとって、まさに楽園と言えるでしょう。多彩な湯船をめぐる「湯めぐり」は、童心に帰ったような楽しい時間をもたらしてくれます。
客室
客室は全室オーシャンビューが約束されており、中でも露天風呂付きの「波の抄」「暁の抄」は格別です。和の趣を大切にした落ち着いた空間で、窓を開ければ心地よい潮騒が聞こえてきます。波の音をBGMに過ごす時間は、何物にも代えがたい贅沢です。
客室露天風呂の時間
客室の露天風呂は、檜または陶器で造られた湯船。プライベートな空間で、誰にも邪魔されることなく太平洋のパノラマを独り占めできます。朝、鳥の声で目覚め、そのまま湯船へ。昇り始めた太陽が海面をキラキラと照らす光景は、一日の始まりを神聖な気持ちにさせてくれます。
夜には、満点の星空と漁火が幻想的な雰囲気を醸し出します。夫と二人、地酒を酌み交わしながら湯に浸かる。他愛もない話をしたり、時には無言で海を眺めたり。そんな気兼ねないひとときが、夫婦の絆をより一層深いものにしてくれるはずです。
共用風呂
海舟の真骨頂は、なんといってもその多彩な共用風呂にあります。宿の象徴である混浴露天風呂「浜千鳥の湯」は、専用の湯浴み着を着用して入るスタイル。目の前には遮るもののない大海原が広がり、まるで海に直接浸かっているかのような圧倒的な開放感を味わえます。
さらに、予約不要で利用できる3つの貸切露天風呂(石の湯、木の湯、梅香の湯)も大きな魅力です。空いていればいつでも利用できるので、夫婦水入らずでプライベートな湯浴みを心ゆくまで楽しめます。散策気分で湯めぐりを楽しむうちに、日頃の疲れもすっかり洗い流されていくでしょう。
食事
夕食は、食事処「帆上げて」でいただく会席料理。紀州舟盛りがどんと置かれ、新鮮な海の幸がテーブルを彩ります。伊勢海老やクエなど、季節ごとの旬の味覚をふんだんに盛り込んだ料理の数々は、まさに黒潮の恵みそのもの。
オープンキッチンから届く、料理人たちの活気ある声や食材の焼ける音も食欲をそそります。地元の食材の力強さを活かした豪快さと、それを引き立てる繊細な技が融合した料理を前に、自然と夫婦の会話も弾みます。
サービス
湯上がりの休憩処には、冷たいアイスキャンディーや乳酸菌飲料が用意されている。
「懐かしい味がするな」
アイスを頬張りながら夫が笑う。
夜には、小腹を満たす「夜鳴きそば」の無料サービス。
「もう一杯、いけるか?」
「ええ、もちろん」
そんな小さなやり取りひとつひとつが、旅の温かい思い出になっていく。
こんな50代夫婦におすすめ
- とにかく温泉が好きで、色々な種類の湯船を楽しみたい夫婦
- 新鮮な海の幸を心ゆくまで味わいたい夫婦
- 気取らない雰囲気の中で、のんびりと過ごしたい夫婦
アクセス情報
- 住所: 和歌山県西牟婁郡白浜町1698-1
- アクセス: JR白浜駅から車で約15分
- 送迎: 白浜駅より無料シャトルバスあり(定時運行)
ふたりで紡ぐ、宿の記憶
夜も更けた頃、ふたりは貸切露天風呂「石の湯」にいた。
ごつごつとした岩に囲まれた湯船は、秘密の隠れ家のようだ。
見上げれば、こぼれ落ちてきそうなほどの星空。
「こんなに星を見たの、いつ以来だろう」
妻の声が、湯気に溶けていく。
夫は黙って空を見上げている。
その横顔を見ながら、妻は思う。
この人と結婚して、もう三十年以上が経った。
楽しいことばかりではなかった。
でも、今こうして隣で同じ星空を見上げている。
それで十分じゃないか、と。
「冷えてきた。そろそろ上がろうか」
夫が優しく声をかける。
湯から上がり、用意されていたタオルで体を拭く。
休憩処で飲んだ冷たい牛乳が、火照った体に心地よかった。
部屋に戻るまでの短い渡り廊下。
夫が少し先を歩き、妻がそのあとをついていく。
いつもの、見慣れた背中。
その大きな背中が、今夜はいつもより頼もしく見えた。
ホテル三楽荘
~白良浜を庭とする、絶好のロケーション~
■おすすめポイント(ホテル三楽荘)
- 目の前は白良浜。客室から美しい砂浜と海を一望できる最高の立地
- 趣の異なる2種類の源泉を、多彩な湯船で楽しめる
- 露天風呂付き特別フロア「シオング」でのプライベートな滞在
- 地元食材を活かした和食、洋食、中華から選べる多彩なレストラン
- 夏には海水浴、冬にはイルミネーションと、一年を通して楽しめる
日本屈指の美しさを誇る白良浜の、まさに目の前。ホテル三楽荘は、その絶好のロケーションそのものが最大の魅力です。客室の窓は、まるで一枚の絵画を切り取った額縁のよう。白い砂とエメラルドグリーンの海のコントラストが、ふたりの滞在を鮮やかに彩ります。
客室
ワンランク上の滞在を望むなら、露天風呂付き特別フロア「シオング」がおすすめです。和洋室の広々とした空間は、ゆったりと寛ぐのに最適。テラスに出れば、そこには白良浜の絶景が広がります。波の音を聞きながら、ただぼんやりと海を眺める。そんな何もしない贅沢が、ここにはあります。
客室露天風呂の時間
「シオング」の客室露天風呂は、開放感あふれるテラスに設置されています。源泉かけ流しの湯に身を沈めれば、視線の先には白良浜の美しい景色。昼間は海水浴を楽しむ人々の賑わいが旅の気分を盛り上げ、夕暮れ時には静寂の中で沈みゆく夕日がロマンチックな時間を演出します。
夏であれば、水着のままビーチと客室露天風呂を気軽に行き来することも可能。まるでプライベートビーチを持つ別荘に滞在しているかのような、自由で贅沢な過ごし方ができます。夜、ビーチの喧騒が嘘のように静まり返った後、星空の下で入る温泉は、ふたりだけの秘密の時間となるでしょう。
共用風呂
ホテル三楽荘では、「衝幹(つくもと)の湯」と「藤の湯」という2種類の異なる源泉を楽しめるのが特徴です。大浴場はそれぞれ趣が異なり、広々とした内湯や開放的な露天風呂で、湯めぐりを満喫できます。
特に、海に面した露天風呂からの眺めは格別。潮風を感じながら、白浜の名湯にゆっくりと浸かれば、心も体も芯から癒されていくのを感じるはずです。湯上りには、ラウンジで白良浜を眺めながらクールダウンするのもおすすめです。
食事
館内には和食、洋食、中華と3つのレストランがあり、その日の気分で食事を選べるのが嬉しいポイント。どのレストランも、伊勢海老や熊野牛といった紀州の高級食材をふんだんに使用し、料理長の技が光る逸品ぞろいです。
特に、和食レストラン「万葉」でいただく会席料理は、旬の味覚を繊細な盛り付けで楽しめ、目と舌の両方で満足させてくれます。窓の外に広がる海の景色を眺めながら、夫婦でゆっくりと語らいながら食事を楽しむ時間は、旅のハイライトとなるでしょう。
サービス
夕食後、ライトアップされた白良浜を散策する。
ホテルのエントランスを出れば、そこはもう砂浜だ。
「裸足で歩いてみないか?」
夫の提案に、妻は笑って頷く。
ひんやりとした砂の感触が心地よい。
ホテルの灯りが、ふたりの足跡を優しく照らしていた。
こんな50代夫婦におすすめ
- 白良浜の美しい景色を心ゆくまで満喫したい夫婦
- アクティブにビーチリゾートの雰囲気を楽しみたい夫婦
- 食事の選択肢が豊富なホテルを好む夫婦
アクセス情報
- 住所: 和歌山県西牟婁郡白浜町3078
- アクセス: JR白浜駅から車で約15分
- 送迎: なし(路線バスまたはタクシーを利用)
ふたりで紡ぐ、宿の記憶
部屋のテラスで、ふたりはワイングラスを傾けていた。
眼下には、ライトアップされた真っ白な砂浜が浮かび上がっている。
日中の賑わいが嘘のように、静かな夜のビーチだ。
「昔、子供たちが小さい頃、来たことがあったな。この浜に」
夫が懐かしそうに言う。
「ええ。あの子たち、大はしゃぎだったわね」
妻も微笑む。
あの頃は、子供たちから片時も目が離せなかった。
ふたりきりで、こうしてゆっくり海を眺める日が来るなんて、想像もできなかった。
「いろいろあったな」
「そうね。本当にいろいろ」
グラスを合わせると、カチンと澄んだ音が響く。
それは、祝杯の音のようでもあり、感謝の音のようでもあった。
ふたりで乗り越えてきた、数えきれないほどの昨日たちへ。
そして、これからふたりで迎える、穏やかな明日たちへ。
波の音が、優しい子守唄のように聞こえる。
テラスの露天風呂からは、心地よい湯気が立ち上っていた。
白浜の夜は、静かに更けていく。
SHIRAHAMA KEY TERRACE HOTEL SEAMORE
~海とアートが融合する、新しいスタイルのリゾート~
■おすすめポイント(SHIRAHAMA KEY TERRACE HOTEL SEAMORE)
- 全長30mのインフィニティ足湯から眺める、感動的な夕景
- モダンでデザイン性の高い、多彩なタイプの客室
- 「すし 八咫」や「イキャラ」など、選択肢豊富なダイニング
- 焼きたてパンが自慢のベーカリーや、お土産選びが楽しいショップも充実
- 伝統的な温泉旅館の良さと、現代的なホテルの快適さを両立
伝統的な温泉宿の枠を超え、新しいリゾートの形を提案する「HOTEL SEAMORE」。洗練されたデザイン空間と、白浜の雄大な自然が見事に調和したこのホテルは、好奇心旺盛な大人の心を満たしてくれます。館内の至る所に配されたアートや、多彩な施設を探検するだけでも、一日中楽しむことができるでしょう。
客室
客室のバリエーションが豊富で、滞在スタイルに合わせて選べるのが魅力です。50代夫婦におすすめなのは、広々としたテラスに露天風呂を備えた「デラックスルーム」。白を基調としたモダンなインテリアは清潔感にあふれ、大きな窓からはどこまでも続く水平線が望めます。
客室露天風呂の時間
デラックスルームのテラスに設えられた露天風呂は、プライベート感満点の空間。白浜の空と海を独り占めしながら、源泉かけ流しの贅沢な湯浴みを堪能できます。湯船の傍らにはデイベッドも用意されており、火照った体を潮風でクールダウンさせるのも心地よい時間です。
朝は、併設のベーカリーで買ってきた焼きたてのパンとコーヒーをテラスで。昼は、読書をしながらうたた寝を。そして夜は、星空の下で湯に浸かる。時間に縛られず、ただ気の向くままに過ごす。そんな自由な滞在が、心と体を解き放ってくれます。
共用風呂
大浴場「海の湯」は、1階と2階に分かれたメゾネットタイプ。1階には広々とした内湯と趣の異なる三つの露天風呂、2階には海を眺める開放的な露天風呂があり、湯めぐりを楽しめます。
しかし、このホテルのハイライトは、なんといってもインフィニティ足湯でしょう。海に向かって長く伸びる足湯に浸かりながら、目の前の水平線に沈む夕日を眺める時間は、まさに感動的。多くの宿泊客がこの景色を求めて集い、言葉なく同じ夕景に見入る光景は、旅の美しい思い出として心に刻まれます。
食事
館内には、ビュッフェレストラン「by the ocean」のほか、本格的な江戸前寿司が味わえる「すし 八咫」、和食レストラン「円座」、炭火焼きレストラン「イキャラ」など、多彩なダイニングが揃っています。
特に「すし 八咫」では、紀州沖で獲れた新鮮な魚介を、熟練の職人が握る極上の一貫を味わうことができます。カウンター席で職人の手さばきを眺めながら、旬のネタに舌鼓を打つ。そんな大人の美食体験は、旅の満足度を格段に上げてくれるはずです。
サービス
インフィニティ足湯に、ふたり並んで腰掛ける。
目の前の空が、オレンジから紫へと刻一刻と色を変えていく。
「きれい…」
妻の小さな呟きが、夫の耳に届く。
隣に座る見知らぬ夫婦も、そのまた隣のカップルも、誰もが黙って空を見つめている。
共有しているのは、この美しい瞬間だけ。
それでいて、不思議な一体感がそこにはあった。
こんな50代夫婦におすすめ
- 伝統的な旅館よりも、モダンでデザイン性の高いホテルが好きな夫婦
- アクティブに館内施設や食事を楽しみたい夫婦
- 感動的な夕日を眺めながら、ロマンチックな時間を過ごしたい夫婦
アクセス情報
- 住所: 和歌山県西牟婁郡白浜町1821
- アクセス: JR白浜駅から車で約10分
- 送迎: 白浜駅より無料シャトルバスあり(定時運行)
ふたりで紡ぐ、宿の記憶
ベーカリーの袋を提げた夫が、嬉しそうに部屋に戻ってきた。
「見てみろ、焼きたてだ」
袋から取り出されたクロワッサンは、まだ温かい。
テラスで、淹れたてのコーヒーと共に朝食にする。
「美味しい」
妻が言うと、夫は「だろ?」と得意げに笑った。
若い頃は、朝食なんて慌ただしく済ませるだけだった。
ゆっくりとパンをちぎり、コーヒーを飲む。
ただそれだけのことが、こんなにも幸せな時間だなんて。
テラスの露天風呂からは、朝日にきらめく穏やかな海が見える。
カモメがのんびりと空を飛んでいく。
「今日はどうする?」
夫の問いに、妻は少し考えてから答えた。
「そうね、まずはもう一度、あのお風呂に入ろうかしら」
予定なんて、決めなくていい。
気の向くままに、風の吹くままに。
ふたりの旅は、まだ始まったばかりなのだから。
テーブルの上に置かれたパンくずを、小さな鳥がつつきに来ている。
南紀白浜マリオットホテル
~高台から望む絶景と、世界基準のホスピタリティ~
■おすすめポイント(南紀白浜マリオットホテル)
- 全室オーシャンビュー。高台から白良浜と太平洋を一望するパノラマビュー
- 温泉ビューバスを備えた客室で、プライベートな湯浴みを実現
- マリオットブランドならではの、洗練された快適な空間とサービス
- 最上階の展望露天風呂からの眺めは、まさに絶景
- 地元食材とグローバルなセンスが融合した、独創的な料理
なだらかな丘の上に立ち、白良浜を見下ろすように佇む南紀白浜マリオットホテル。世界が認めるマリオットブランドならではの洗練された空間と、きめ細やかなホスピタリティが、ワンランク上のリゾートステイを約束します。窓の外に広がる、どこまでも青い海と空のパノラマは、訪れる人の心を瞬時に解き放ちます。
客室
白浜の海をイメージした青と白を基調とする客室は、爽やかでモダンな雰囲気。大きな窓からは、陽光がたっぷりと差し込みます。おすすめは、窓際に温泉ビューバスを備えた「温泉ビューバス付プレミアルーム」。景色を眺めながら、好きな時に好きなだけ温泉を楽しめるという、この上ない贅沢が待っています。
客室露天風呂の時間
正確には露天風呂ではなく、大きな窓に面したビューバスですが、その開放感は露天風呂に勝るとも劣りません。窓を全開にすれば、心地よい潮風がバスルームに吹き込み、まるで屋外にいるかのような気分を味わえます。眼下に広がるのは、白い砂浜とどこまでも続く水平線。
夜になれば、遠くに見える街の灯りがロマンチックな雰囲気を演出します。バスルームの照明を落とし、キャンドルを灯せば、そこはふたりだけの特別な空間に。シャンパンを片手に、湯船から夜景を眺める時間は、日常の喧騒を忘れさせてくれる魔法のひとときです。
共用風呂
ホテルの最上階、11階にある展望温泉は、ぜひ訪れたい場所のひとつ。大きな窓から太平洋を一望できる内湯と、開放感あふれる露天風呂が用意されています。
高台にあるホテルだからこそ実現できる、空に浮いているかのような眺望は圧巻の一言。特に、夕暮れ時は息をのむほどの美しさです。刻一刻と色を変える空と海を眺めながら湯に浸かれば、日頃の悩みもちっぽけなことに思えてくるから不思議です。
食事
メインダイニング「Grill & Dining G」では、地元の新鮮な食材とマリオットならではのグローバルな感性が融合した、独創的なグリル料理を堪能できます。オープンキッチンでダイナミックに調理される料理は、目にも鮮やか。
地元産の熊野牛や、近海で獲れた新鮮な魚介を、最適な調理法でシンプルに味わう。素材の良さを最大限に引き出した料理の数々は、食通の夫婦も満足させること間違いありません。窓の外に広がる絶景と共に、心に残るディナータイムを過ごせます。
サービス
チェックインを済ませ、部屋のドアを開ける。
カーテンが自動で開き、目の前に青い海が広がった。
「わぁ…」
思わず、妻から感嘆の声が漏れる。
ウェルカムスイーツとして置かれていたのは、地元の柑橘を使ったお菓子。
世界基準のサービスの中に光る、ローカルへの敬意。
その絶妙なバランスが、旅をより豊かなものにしている。
こんな50代夫婦におすすめ
- 安心感のある、世界基準のホテルブランドで快適に過ごしたい夫婦
- 高台からのパノラマビューを独り占めしたい夫婦
- 洗練された空間で、スタイリッシュな休日を過ごしたい夫婦
アクセス情報
- 住所: 和歌山県西牟婁郡白浜町2428
- アクセス: JR白浜駅から車で約15分
- 送迎: なし(路線バスまたはタクシーを利用)
ふたりで紡ぐ、宿の記憶
部屋のバルコニーで、夫が双眼鏡を覗いていた。
「船が見えるぞ」
そう言って、妻に双眼鏡を手渡す。
レンズの向こうには、白い航跡を描いて進む一隻の船。
「どこへ行くのかしら」
「さあな。でも、きっといい旅になるだろう」
夫は、船ではなく妻を見て言った。
少し照れくさくて、妻は視線を海に戻す。
子供たちが巣立ち、家にふたりきりになった時、少しだけ戸惑った。
これから、この広い家で、どうやって過ごしていけばいいのだろう、と。
でも、旅に出てみてわかった。
ふたりの世界は、家の中だけじゃない。
こうして一緒に知らない景色を見て、美味しいものを食べて、笑い合う。
それだけで、世界はどこまでも広がっていく。
「ねえ、今度はどこへ行く?」
妻が尋ねると、夫は少し考えてから、いたずらっぽく笑った。
「それは、また今度考えよう。まずは、この景色を楽しまないと」
そう、急ぐ必要なんてないのだ。
ふたりの時間は、まだたっぷりとあるのだから。
高台のホテルに、穏やかな午後の光が差し込んでいる。
まとめ|さあ、ふたりの時間を紡ぐ旅へ
今回は、子育てを終えた50代の夫婦が、ふたりだけの時間を深く紡ぎ直すための旅先にふさわしい、白浜温泉の露天風呂付き客室がある宿を5軒、厳選してご紹介しました。
- INFINITO HOTEL & SPA 南紀白浜: 空と海に溶け合う、究極のプライベートリゾート
- 浜千鳥の湯 海舟: 黒潮の恵みと湯めぐりを楽しむ、海辺の湯宿
- ホテル三楽荘: 白良浜を庭とする、絶好のロケーション
- SHIRAHAMA KEY TERRACE HOTEL SEAMORE: 海とアートが融合する、新しいスタイルのリゾート
- 南紀白浜マリオットホテル: 高台から望む絶景と、世界基準のホスピタリティ
どの宿も、ただ宿泊する以上の、心に残る体験を約束してくれます。
これまでの人生、たくさんの役割をこなし、懸命に走り続けてきたあなたへ。
今こそ、一番大切な人の隣で、ゆっくりと羽を休める時です。
波の音に耳を澄まし、潮風に身を任せ、温かい湯に体を預ける。
そうすれば、忘れていた穏やかな気持ちや、素直な言葉が、自然と湧き上がってくるはず。
さあ、次の休日はスーツケースに少しの荷物を詰めて、ふたりの新しい物語を紡ぐ旅に出かけませんか。白浜の美しい海が、きっとあなた方を温かく迎えてくれるでしょう。